やっと自宅まで帰ってきました。

昨日と今日の2日間、益城町へボランティア活動に行ってきました。
5年前の地震の際、仕事の都合でボランティアに行くことも叶わず、心騒いだのを思い出します。
今回の熊本地震は、同じ九州内であり又、仕事も開業仕立てとはいえ自由に時間を使う事ができるという事で二日間確保してお手伝いする事が叶いました。

益城町に入ってまず思った事。
それは、報道での町の様子はごく一部だったという事です。普通自動車がまともに通れる道がほとんど無いというぐらい、町の中心部の家屋の状況は酷いものでした。
地震を想定していなかったとはいえ、余りにも地震に対して弱い家が多すぎて何ともやるせない気持ちになりました。

ボランティア活動は、二日共車両を出せるのと建築全般の経験があるので、ブロック塀の撤去片付けを選択しお手伝いしてきました。
活動して思った事は、僕らのような建築関係の人間が一人でも多く活動に参加して欲しいという事です。作業自体初めての方や慣れない方が殆どです。その中に一人作業全体の流れを考えてサポートでき、一番に動ける人間がいれば作業効率は格段に上がります。ボランティアに来ている人たちは、何かしたいと願ってる人間しかいません。だから、流れとやり方を教えるだけでみんな一生懸命に頑張れるんです。無駄が減る分体力も残せますし。

現状よりももう少し落ち着いて、住宅の診断も進めば、さらにボランティアのニーズは高まっていくと思われます。その時に一人でも多くの建築関係者の参加を願います。正直、もっとボランティア活動をしたいのですが生活も両立させなければいけない現実もあります。有償ボランティアとなれば僕以外の職人さんたちも参加したいと考えている方がいるはずです。ボランティアの活動は制限が多すぎて、住居の解体や屋根の瓦を降ろすなどの行為もできません。そこで、重機を借りて少しでも被災者の負担額を少しでも軽くする等僕ら職人だからできる事って有るはずです。

任意団体を設立して寄付と人員を募るか、既設のボランティア団体に働きかけるか。どこに消えるか分からない義援金の一部で職人さん雇って被災地全体のお手伝いをすれば、よっぽど何処かの建設会社に請け工事して貰うより安くできると思うんですよね。思いのある人間が集まる訳ですから。

最後に。どこに使われるか分からない義援金。確かに必要ですが、一つの手。それだけで何倍も被災した方々の力になれると僕は思います。一人でも多くの方がボランティア活動に参加される事を願います。そして社会福祉協議会の方々、お仕事ありがとうございます。二つお願いが有ります。一つは、被災地の通行可能な道の状況を示した地図。活動先の住所しか分からないボランティアの人間は、家屋の倒壊で通れない道や道路状態などによりかなり迂回し時間を消費しました。一人の人が道路状況を一日使って調べるだけで、数百人のボランティアがスムーズに作業に入れるんです。もう一つは、活動依頼の家が1件あったら近隣の家にもお声掛けをお願いします。実際、活動中に隣のお宅の方が「うちもして欲しい。」と、声を掛けてこられました。僕らボランティアは、センターを通して下さい。としか、お応えできません。活動自体は午前中に終わり十数人が午後から何もできずに帰りました。福祉協議会の方が動く必要は無いんです。ボランティアにきた人に声掛けや刻々と変わる道路状況を確認して貰えば、効率は上がると思いますし、早く被災者の方々を安心させる事ができると思います。よろしくお願いします。

帰り道。阿蘇方面の山々が凄く綺麗でした。あの綺麗な自然が時に牙を剥き、人間の築いた物そして命さえも一瞬で奪いさっていきます。改めて自然との向き合い方、そして備えについて考えさせられた二日間でした。